1961年式 フィアット アバルト 850TC!オリジナルの850TCから更なるカスタムでモアパワー、モアスピード!を体現した個体。そういう精神こそが本当の意味で「アバルト」と言えるのではないかと。
年式 |
1961年式 |
色 |
BIANCO |
排気量 |
847cc |
走行 |
5桁メーターのため不明 |
シフト |
4MT |
車検 |
令和7年4月 |
年式 |
1961年式 |
排気量 |
847cc |
シフト |
4MT |
色 |
BIANCO |
走行 |
5桁メーターのため不明 |
車検 |
令和7年4月 |
主な装備
- ABS
- ETC付
- アルミホイール
- エアコン
- エアバッグ
- オーディオ
- サンルーフ
- ディーラー車
- ナビ付
- パワーウインドウ
- パワーステアリング
- フル装備
- 価格応談
- 左ハンドル
- 記録簿
- 革シート
この時代のアバルトって言うと、いつも付きまとうのが「本物」か「レプリカ」か問題。結局同じ車で同じ部品なんだから物はいっしょなんですけどね・・・。
この個体はもちろん「本物」ですが、更に走りを極めようと、定番のアウトビアンキA112アバルトエンジン化、1000TCR同様のラジエターダクト&エンジンフード空力対策、ローダウンサス組込み、車高ダウン実現のためにフロントフェンダー叩き出し加工等々・・・。
アバルトだって1000TCRを目指したんだから、自分で目指してもいいじゃん!的な!
あの大人しい実用車、フィアット600がこうなるんですからね。こんなでっかいラジエターダクト付けようとか、エンジンフードは開けたままの方が空力的にいいじゃん!なんて、凝り固まった頭からは生まれないのです。
エンジンフード開けっ放しスタイルはオーバーヒート対策にもなりますが、実際はリアスポイラーとして空力効果も大きいのです!
塗装状態はツヤもあり、とても良い状態です。ガレージ保管(エンジン丸見えなので必然?!)なので当然と言えば当然でしょうか。
ルーフのブルーの市松模様、ボディサイドのブルーのラインはカッティングシートでは無く、しっかりと塗装されています。
エンジンフードはこれが通常走行状態です。ガッチリしたステーに支えられたフードは、見た目以上にしっかりとしていて、確かにリアスポイラーとして空力効果を発揮しそうです。
1000TCR用の巨大なラジエターダクトは、スタイルももちろんですが、思う存分回しても、冷却に不安無く楽しめるのです!
この時代のイタリアン・スポーツカーのドアミラーと言えば・・・Vitaloni(ビタローニ)で決まり!
それでは外観同様アドレナリン出まくりの、スパルタンなインテリアのご紹介です。どうぞ~。
うぉお、いきなり「おひとり様専用席」と言わんばかりの両サイドの仕切りがそそり立つバケットシート!
1000TCRを彷彿とさせるこのシートは、現オーナー様がオーダーして新調されたもの。それほど年数も経過していないようで、表生地の切れ、破れもありません。
少し広めの純正シートレールは使用せず、オーダーシート専用シートレールを現物合わせで造り付けたものです。
床全面を覆うゴムマットも未だ新しい印象です。こういう所がキレイなのは重要!走り出す時のモチベーションが違います。
シートベルトは4点式がメインですが、2点式も残っていますので、普段は脱着の楽なこちらをご使用になるのもいいかもしれません。
4人乗り車両ですが、4点式シートベルトを使用中はこんな感じになるので、実質2人乗りになります。このシートベルトは画面中央の接続部で簡単に脱着可能です。
シンプルでスパルタン!いかにもアバルトらしい質実剛健なインテリア!シートに収まって4点式シートベルトを締めたら・・・アクセル踏むしかないでしょ!
オリジナルステアリング(395mm)に比べ、より希少な、小径(360mm)のビンテージアバルトレザーステアリングに換装されています。このボディスタイルですから、こちらで正解ですね。
そのアバルトステアリングから見えるのが、どんな高級時計よりも美しく魅力的な(少なくとも一部の人にとっては)JAEGER製アバルトメーター。
オリジナルはヘッドライト、メーターライト、ワイパースイッチとイグニッション、そしてイグニッション下のウォッシャーポンプのみのシンプルなレイアウト。
現オーナー様は普段乗りもされる方なので、シガーソケット、間欠ワイパーユニット、ヒーターファンスイッチといった快適装備?!も設置済。
助手席前にはこんな造り付けの物入も装備!「物が置けない!」と言う旧車に有りがちな悩みもこれで解決!
ちょっと古めの一体型ETCを装備。一体型なので、電波受信のためにここに設置されていますが、アンテナ分離型に変更して、スッキリさせるのも良いかもしれません。
1961年式の最初期型なのでドアは前開きです。内張は新調されていてスッキリ!
天張りは、硬質で厚みのあるグレーのマットが、ガッツリと貼付けられていますので、天井落ちの心配もありません。
FIAT600、及び600ベースの車両のオリジナルヘッドライトは、本来これよりひと回り小さいのですが、日本では安全や車検を考慮してか、このサイズのライトが取付けられる事が多いようです。ライトはガラス製なので白く曇る事も無く、ご覧の通りクリアー!
リアレンズも割れ、掛けはもちろん、色褪せもほとんど感じない状態です。
リアエンジンですので、フロントがラゲッジスペースですが、燃料タンクとスペアタイヤが収まるのでミニマムなスペースです。
600Dでは無く、600ベースの1961年式ですから、燃料タンクは容量27Lのこのタイプ。燃費を語るクルマではありませんが、でも思いのほか悪くないのも事実。オーナー様によれば都内使いでも12~13km/Lぐらいはいくそうです。
この時代のアバルトと言えばこのホイール!ツーと言えばカー、アバルトと言えばカンパニョーロ!
おそらくレプリカのカンパニョーロ製のアバルト・アルミホイールですが、本物マグホイールなんて割れそうで履いていられないので、これで良いのです。
タイヤサイズは何ともうれしい155/70R13!安心の国産タイヤが安価で選べます。
タイヤ残山は7~8分山というところでしょうか。当分交換の必要はありませんね。
文字通り心臓部のエンジンルーム。前述の通り、850TCではもはや定番とも言える、アウトビアンキA112アバルトエンジン化が施され、オリジナルより格段にパワフルに!
オリジナルは52PS/5800rpm、7.1kgf・m/4500rpmですが、体感では倍はありそう!車両重量600kgと軽量なので、普段は2速発進でOK!結果、ローギアー度なFIAT系ミッションとは思えない出足の良さなのです!
冷却系は1000TCRからの流用パーツやワンオフ製作パーツだと思いますが、かなり丁寧に造り込まれた印象です。一球入魂ならぬ、一台入魂?!
キャブはアウトビアンキと同様のWeber 32DMTRを装着。FIAT系エンジンとの相性はバッチリ!リトモや、127、128、X1-9、ウーノにも採用された扱いやすくパワフルなキャブ!
おそらくワンオフ物と思われる4in2のエキゾーストパイプ。このあとアバルトマフラーに接続することで、得も言われぬ?!官能の響きに!
フロント下面です。ベース車のフィアット600はもともと老若男女が使用する実用車。なので、Fサスペンションは丈夫なリーフスプリング式。たださすがにブレーキはドラム式から、ガーリング製のディスク・ブレーキへと変更されています。
更に奥へ行くと、フロントからリアまで1直線に繋がる、このモデルならではの冷却水ラインが見えます。
リア(エンジン)下面です。トレードマークとも言えるABARTHロゴ入りの巨大なオイルクーラーが目を引きます。エンジンチューンに伴うオイルクーラーの取付に苦心の跡が見て取れますね。
もう少し奥の方を見ると、ミッション~ドライブシャフト、冷却水ラインがハッキリ見えます。酷いサビやオイル漏れに伴うドロドロ汚れが無いのもお判りいただけるかと。
マルミッタアバルトが奏でるエキゾーストはそりゃもう!このクルマで走りたい!と思う要素の中で、このエキゾーストが聞きたいから!が結構な部分を占めると思います。
改めて見ると、やはり巨大なオイルパン。後からさりげなく見えるABARTHロゴですが、分かる方には強烈なアピールなのです。
ちなみに、ご参考までにイタリア本国の車検証がコレ。ABARTH 850と記載があります。もちろんシャシーナンバーもマッチングしています。
更に現在の国内車検証の車名も、もちろんアバルト。車台番号(シャシーナンバー)も合ってますね。
毎度悩まされる「本物」「レプリカ」問題は、言わば乗らない人達の数字(金額)遊びがもたらした結果・・・。
イタリアでも日本でもこの個体は列記とした「アバルト」。それ以上のご説明をしようがないので・・・。
そんなナンセンスな事は置いておいて、要はオリジナルからカスタムされた、こんな仕様の個体が、この状態で、このお値段でご納得いただけるかどうかに尽きるかと・・・。
・・・って言うか、ここまでカスタムされた個体だと、納得も何も、お乗りになった瞬間に圧倒されること間違いなし!なので、勢いで買ってしまうか否か?!(苦笑)
そんな気の迷い(笑)もあり得るほどのエネルギーを貰える個体ですから、最近お疲れ気味の貴兄にいかがかと・・・。
何を隠そう私も、少しの試走で『やっぱクルマって楽しい~!』って心の底から思えるほどのエネルギーを貰ったので、是非これを皆様にも知っていただき、明日への糧にしていただければと・・・。
アバルトが持つ、そんなエネルギーの源はもちろんアバルトの創始者カルロ・アバルト氏に尽きるわけで、その栄光と挫折に満ちた人生があったからこその不屈の精神が、アバルトには宿っているのです。
物語は1928年、カール(ドイツ語名)・アバルト若干20歳にしてライダーとしての才能を開花させ、グランプリデビューしたのですが、純粋にライダーとしての能力ではなく、チームの思惑に翻弄されリタイヤ・・・。
そんなチームとは即決別し、英国製のグリンドレー・ピアレスを駆って単身で臨んだレースで優勝し、その成績で強豪チームに迎えられることに。しかし、その後のレースで大事故に合い、ライダーとしての人生を絶たれるほどのケガを負うことに・・・。
約2年後、当時最新鋭の乗り物として人気が出つつあったサイドカーレースで復帰し、33年、34年とオーストリア国内チャンピオンにまで登りつめ・・・。
その頃、隣国ドイツから起こったナチズムがオーストリアでも台頭し始め、それを嫌ったカルロは、父の母国イタリアでサイドカーレースを続けるも、再び大事故に見舞われ昏睡状態に・・・。
死の淵から回復した時には、既に第二次世界大戦が勃発しており、オーストリアに戻ることも難しくなり、イタリア式の「カルロ」と名を変え、イタリアで生活をすることに・・・。
チシタリアF1マシン製作のエンジニア兼テストドライバーとして才能を発揮するも、チシタリア倒産。そのチシタリアを引き継ぎ、トリノに「アバルト&C.」を設立・・・。
生まれ持った才能に加え、一人の人生とは思えないほどの栄光と挫折を経験したからこそ、唯一無二の存在になれたのではないかと・・・。
何者にも変えられない、何事にも曲げられない、強い意志がアバルトの真骨頂!それを表すクルマは、やっぱりこうでなくちゃね。
この時代のアバルトって言うと、いつも付きまとうのが「本物」か「レプリカ」か問題。結局同じ車で同じ部品なんだから物はいっしょなんですけどね・・・。
この個体はもちろん「本物」ですが、更に走りを極めようと、定番のアウトビアンキA112アバルトエンジン化、1000TCR同様のラジエターダクト&エンジンフード空力対策、ローダウンサス組込み、車高ダウン実現のためにフロントフェンダー叩き出し加工等々・・・。
アバルトだって1000TCRを目指したんだから、自分で目指してもいいじゃん!的な!
あの大人しい実用車、フィアット600がこうなるんですからね。こんなでっかいラジエターダクト付けようとか、エンジンフードは開けたままの方が空力的にいいじゃん!なんて、凝り固まった頭からは生まれないのです。
エンジンフード開けっ放しスタイルはオーバーヒート対策にもなりますが、実際はリアスポイラーとして空力効果も大きいのです!
塗装状態はツヤもあり、とても良い状態です。ガレージ保管(エンジン丸見えなので必然?!)なので当然と言えば当然でしょうか。
ルーフのブルーの市松模様、ボディサイドのブルーのラインはカッティングシートでは無く、しっかりと塗装されています。
エンジンフードはこれが通常走行状態です。ガッチリしたステーに支えられたフードは、見た目以上にしっかりとしていて、確かにリアスポイラーとして空力効果を発揮しそうです。
1000TCR用の巨大なラジエターダクトは、スタイルももちろんですが、思う存分回しても、冷却に不安無く楽しめるのです!
この時代のイタリアン・スポーツカーのドアミラーと言えば・・・Vitaloni(ビタローニ)で決まり!
それでは外観同様アドレナリン出まくりの、スパルタンなインテリアのご紹介です。どうぞ~。
うぉお、いきなり「おひとり様専用席」と言わんばかりの両サイドの仕切りがそそり立つバケットシート!
1000TCRを彷彿とさせるこのシートは、現オーナー様がオーダーして新調されたもの。それほど年数も経過していないようで、表生地の切れ、破れもありません。
少し広めの純正シートレールは使用せず、オーダーシート専用シートレールを現物合わせで造り付けたものです。
床全面を覆うゴムマットも未だ新しい印象です。こういう所がキレイなのは重要!走り出す時のモチベーションが違います。
シートベルトは4点式がメインですが、2点式も残っていますので、普段は脱着の楽なこちらをご使用になるのもいいかもしれません。
4人乗り車両ですが、4点式シートベルトを使用中はこんな感じになるので、実質2人乗りになります。このシートベルトは画面中央の接続部で簡単に脱着可能です。
シンプルでスパルタン!いかにもアバルトらしい質実剛健なインテリア!シートに収まって4点式シートベルトを締めたら・・・アクセル踏むしかないでしょ!
オリジナルステアリング(395mm)に比べ、より希少な、小径(360mm)のビンテージアバルトレザーステアリングに換装されています。このボディスタイルですから、こちらで正解ですね。
そのアバルトステアリングから見えるのが、どんな高級時計よりも美しく魅力的な(少なくとも一部の人にとっては)JAEGER製アバルトメーター。
オリジナルはヘッドライト、メーターライト、ワイパースイッチとイグニッション、そしてイグニッション下のウォッシャーポンプのみのシンプルなレイアウト。
現オーナー様は普段乗りもされる方なので、シガーソケット、間欠ワイパーユニット、ヒーターファンスイッチといった快適装備?!も設置済。
助手席前にはこんな造り付けの物入も装備!「物が置けない!」と言う旧車に有りがちな悩みもこれで解決!
ちょっと古めの一体型ETCを装備。一体型なので、電波受信のためにここに設置されていますが、アンテナ分離型に変更して、スッキリさせるのも良いかもしれません。
1961年式の最初期型なのでドアは前開きです。内張は新調されていてスッキリ!
天張りは、硬質で厚みのあるグレーのマットが、ガッツリと貼付けられていますので、天井落ちの心配もありません。
FIAT600、及び600ベースの車両のオリジナルヘッドライトは、本来これよりひと回り小さいのですが、日本では安全や車検を考慮してか、このサイズのライトが取付けられる事が多いようです。ライトはガラス製なので白く曇る事も無く、ご覧の通りクリアー!
リアレンズも割れ、掛けはもちろん、色褪せもほとんど感じない状態です。
リアエンジンですので、フロントがラゲッジスペースですが、燃料タンクとスペアタイヤが収まるのでミニマムなスペースです。
600Dでは無く、600ベースの1961年式ですから、燃料タンクは容量27Lのこのタイプ。燃費を語るクルマではありませんが、でも思いのほか悪くないのも事実。オーナー様によれば都内使いでも12~13km/Lぐらいはいくそうです。
この時代のアバルトと言えばこのホイール!ツーと言えばカー、アバルトと言えばカンパニョーロ!
おそらくレプリカのカンパニョーロ製のアバルト・アルミホイールですが、本物マグホイールなんて割れそうで履いていられないので、これで良いのです。
タイヤサイズは何ともうれしい155/70R13!安心の国産タイヤが安価で選べます。
タイヤ残山は7~8分山というところでしょうか。当分交換の必要はありませんね。
文字通り心臓部のエンジンルーム。前述の通り、850TCではもはや定番とも言える、アウトビアンキA112アバルトエンジン化が施され、オリジナルより格段にパワフルに!
オリジナルは52PS/5800rpm、7.1kgf・m/4500rpmですが、体感では倍はありそう!車両重量600kgと軽量なので、普段は2速発進でOK!結果、ローギアー度なFIAT系ミッションとは思えない出足の良さなのです!
冷却系は1000TCRからの流用パーツやワンオフ製作パーツだと思いますが、かなり丁寧に造り込まれた印象です。一球入魂ならぬ、一台入魂?!
キャブはアウトビアンキと同様のWeber 32DMTRを装着。FIAT系エンジンとの相性はバッチリ!リトモや、127、128、X1-9、ウーノにも採用された扱いやすくパワフルなキャブ!
おそらくワンオフ物と思われる4in2のエキゾーストパイプ。このあとアバルトマフラーに接続することで、得も言われぬ?!官能の響きに!
フロント下面です。ベース車のフィアット600はもともと老若男女が使用する実用車。なので、Fサスペンションは丈夫なリーフスプリング式。たださすがにブレーキはドラム式から、ガーリング製のディスク・ブレーキへと変更されています。
更に奥へ行くと、フロントからリアまで1直線に繋がる、このモデルならではの冷却水ラインが見えます。
リア(エンジン)下面です。トレードマークとも言えるABARTHロゴ入りの巨大なオイルクーラーが目を引きます。エンジンチューンに伴うオイルクーラーの取付に苦心の跡が見て取れますね。
もう少し奥の方を見ると、ミッション~ドライブシャフト、冷却水ラインがハッキリ見えます。酷いサビやオイル漏れに伴うドロドロ汚れが無いのもお判りいただけるかと。
マルミッタアバルトが奏でるエキゾーストはそりゃもう!このクルマで走りたい!と思う要素の中で、このエキゾーストが聞きたいから!が結構な部分を占めると思います。
改めて見ると、やはり巨大なオイルパン。後からさりげなく見えるABARTHロゴですが、分かる方には強烈なアピールなのです。
ちなみに、ご参考までにイタリア本国の車検証がコレ。ABARTH 850と記載があります。もちろんシャシーナンバーもマッチングしています。
更に現在の国内車検証の車名も、もちろんアバルト。車台番号(シャシーナンバー)も合ってますね。
毎度悩まされる「本物」「レプリカ」問題は、言わば乗らない人達の数字(金額)遊びがもたらした結果・・・。
イタリアでも日本でもこの個体は列記とした「アバルト」。それ以上のご説明をしようがないので・・・。
そんなナンセンスな事は置いておいて、要はオリジナルからカスタムされた、こんな仕様の個体が、この状態で、このお値段でご納得いただけるかどうかに尽きるかと・・・。
・・・って言うか、ここまでカスタムされた個体だと、納得も何も、お乗りになった瞬間に圧倒されること間違いなし!なので、勢いで買ってしまうか否か?!(苦笑)
そんな気の迷い(笑)もあり得るほどのエネルギーを貰える個体ですから、最近お疲れ気味の貴兄にいかがかと・・・。
何を隠そう私も、少しの試走で『やっぱクルマって楽しい~!』って心の底から思えるほどのエネルギーを貰ったので、是非これを皆様にも知っていただき、明日への糧にしていただければと・・・。
アバルトが持つ、そんなエネルギーの源はもちろんアバルトの創始者カルロ・アバルト氏に尽きるわけで、その栄光と挫折に満ちた人生があったからこその不屈の精神が、アバルトには宿っているのです。
物語は1928年、カール(ドイツ語名)・アバルト若干20歳にしてライダーとしての才能を開花させ、グランプリデビューしたのですが、純粋にライダーとしての能力ではなく、チームの思惑に翻弄されリタイヤ・・・。
そんなチームとは即決別し、英国製のグリンドレー・ピアレスを駆って単身で臨んだレースで優勝し、その成績で強豪チームに迎えられることに。しかし、その後のレースで大事故に合い、ライダーとしての人生を絶たれるほどのケガを負うことに・・・。
約2年後、当時最新鋭の乗り物として人気が出つつあったサイドカーレースで復帰し、33年、34年とオーストリア国内チャンピオンにまで登りつめ・・・。
その頃、隣国ドイツから起こったナチズムがオーストリアでも台頭し始め、それを嫌ったカルロは、父の母国イタリアでサイドカーレースを続けるも、再び大事故に見舞われ昏睡状態に・・・。
死の淵から回復した時には、既に第二次世界大戦が勃発しており、オーストリアに戻ることも難しくなり、イタリア式の「カルロ」と名を変え、イタリアで生活をすることに・・・。
チシタリアF1マシン製作のエンジニア兼テストドライバーとして才能を発揮するも、チシタリア倒産。そのチシタリアを引き継ぎ、トリノに「アバルト&C.」を設立・・・。
生まれ持った才能に加え、一人の人生とは思えないほどの栄光と挫折を経験したからこそ、唯一無二の存在になれたのではないかと・・・。
何者にも変えられない、何事にも曲げられない、強い意志がアバルトの真骨頂!それを表すクルマは、やっぱりこうでなくちゃね。